渡邊達郎
掛川陶芸の代表者。
1971年生まれ。
京都、浜松などで陶芸を学ぶ。
2004年、掛川市に築窯。
華道の世界で千利休が言った言葉として“花は野にあるままではなく野にあるように”という言葉があります。花は自然のままではなく、自然の状態に少し手を加えて飾るのが美しいというようなことだと思うのですが、私が陶芸に求めているものもそういったもののような気がします。
陶芸とは何かと自分で考えたときに思うのは、“土を高温で焼くこと”ということに尽きると思います。単なる立体造形なら、あえて素材として土を使う必要もなければ、まして高温で焼く意味もないのではないかと思います。
それでは陶芸に何を求めたらいいのかと考えたときに自分なりの解釈としては土を高温で焼くことでしか表現し得ない世界というものがあるのではないかと、そういった世界を追求していけたらいいんじゃないかということに思い当たりました。
また、土を素材としてしか表現できない世界というものもあると思います。土のばさばさとした質感や土のしわ、ひび割れなどを欠点としてみるのではなく、あえてそれを受け止める。土臭さを追求していけたらよいのではないかと思っています。
さらにそこから一歩進んで、まるで花を生けるかのように陶芸をやってみたいと思っています。美しさということについては自然の美しさに勝るものはないと思います。ただ自然のままでは芸がない。そこに手を加えることによってより美しいものが生まれるのではないかと思います。まさに“野にあるままではなく野にあるように”というような世界を追求していきたいと考えています。